昨今、中国経済の低迷によりチャイナプラスワンといわれるようになりました。特に、日本の製造業は高騰し続ける従業員の賃金や中国人従業員の離職率の高さなどを背景に、東南アジアに拠点を移す日系企業が増えてきました。
中国市場も製造拠点から消費市場へと変化してきています。今後、人件費の安い東南アジアへと日本企業の進出が増加していくでしょう。
中国を含むアジアをターゲットとするならば、まずは台湾に拠点を置くことが重要です。ゆくゆくは中国、もしくは東南アジア諸国へ進出を検討している企業の多くが、その足がかりとして台湾を選択するケースが多く見受けられます。つまり、台湾においてテストマーケティングを計り、中国および東南アジア諸国における優位性を確かめるということです。
東南アジア諸国についても同じことが言えます。最初から東南アジアに進出を果たすよりも、まずは地理的にも日本と近い台湾に拠点を置き、文化・言語・商習慣などにおいて、東南アジアおよび中国に精通する台湾人の人材を確保することは、リスクマネージメントとしても最適です。
そのような多岐に渡る台湾リソースを駆使することで、台湾のみならず、中国・東南アジア諸国への販路拡大も可能になるのです。
台湾は、世界の中で最も親日度が高い国です。日本語を勉強している人材も多く、日本文化にも精通している人材も多くいます。これらは、台湾進出する大変大きなメリットと言えるでしょう。
加えて、多くの台湾の人々が勤勉であるということも進出の後押しになります。海外での事業に当たって、数多くの進出企業における共通の悩みが、労務管理です。その点からも台湾の多くの人々が持つ勤勉さと親日感情は、大きなメリットと言えるでしょう。
台湾の法人税(営利事業所得税)率は、2009年までは25%でしたが、2010年度より17%に引き下げられました。
また、12万元以下の利益だと免税となり、12万元以上の利益となると、前述の17%が適用されます。
上記のような低い法人税は、日本から台湾への進出を希望する企業にとって、大きなメリットであることは言うまでもありません。
先述のとおり台湾の法人税率も17%であり、法人税が優遇されている有名な国とであるシンガポールと同じ税率なのです。
台湾はアジアの中でも法人登記の難易度がとても低いです。
投資関係法が整備されており、外国人投資と国内企業がほとんど差別されていません。銀行口座開設から、登記までほとんどハードルなく進めることができます。
またストなどの労働争議は非常に少ないことも、設立と運営面において大きなメリットであるといえます。